千の風になって

昨日の朝、いつものバスに乗って、叔母の葬儀に行ってきました。

親戚控室で会った、約八ヶ月ぶりの兄。勘当同然で、あれ以来何の連絡もやり取りもなかった兄。
部屋で2人きりになった時、「おかあちゃん、どない？」　「お前の口から、その言葉が出るようになったんか」
元はと言えば、あのゴタゴタで兄が来た時に、私の口から、その言葉が出なかったことが、兄が怒った原因でした。
「当たり前やん。あの時の私に、そんな余裕があるか」　「そうか～。やな」　　短い会話でした。
でも、叔母が最後に私にくれたプレゼント。兄と妹がまた歩み寄れた大切な時間でした。



葬儀の最後に流れた『千の風になって』
いい歌だと聞いていたのですが、初めてじっくりと聴きました。
色んな思い出があるはずなのに、浮かんでくるのは、私が家を出て、叔母に会いに行ったあの夜のひと時。
子供たちと一緒にカツ丼を食べさせてもらって、「またおいで」と別れ際に握らせてくれた封筒と、タクシー代。



火葬場を出る時、従姉が「みんなが心配をかけたなあ」と一言。
「一番最後に私が大きな心配かけたし･･･」　「そんなことないよ。みんながそうやったんや」
叔母は煙になり、風になって、思い出の地を巡りながら、高い空の上で、先に逝ったご主人と再会していることでしょう。
今日はお彼岸。もしかしたら私の父を含めて、兄弟たちとも会っているかも。　世話焼きの叔母ちゃんのことだから、不精な男たちにあれこれと文句をつけていることでしょう。